建物明渡訴訟

建物明渡訴訟について

例えば・・・
「賃借人が家賃を払ってくれない」
「家賃滞納を理由に賃貸借契約を解除したが、 賃借人が立ち退いてくれない」

上記のようなアパートやマンションなどの家賃を滞納している借り主に対し、建物賃貸借契約を解除し、建物の明け渡しを求めるための手続です。

訴訟を提起し勝訴判決を得た後に、執行官による強制執行をおこなうことによって、強制的に賃借人を排除して建物の明け渡しを受けることができます。
しかし訴訟提起し、判決を取得し、強制執行まで至った場合は、6ヶ月程度の期間や、執行業者の費用が20万円以上かかるでしょう。
訴訟中に賃料が支払われることはほとんどありませんのでかなりの被害額になります。
そこで、訴訟に至る前に、まずは話し合いにより解決を図ろうとするのが通常です。

それまで、いくら督促しても支払わなかった賃借人が、司法書士からの内容証明郵便などによる請求により、任意の支払いに応じることも珍しくありません。
賃借人本人だけでなく、保証人にも請求を行うのも有効かもしれません。
いずれにせよ、損失を最小限に抑えるためにも、家賃滞納が発生した時点で、早急に手を打つことが肝要だといえます。

お手続き完了までの流れ

【滞納家賃の請求】

家賃の滞納が発生しても、すぐに賃貸借契約を解除し、建物の明け渡しを請求できるわけではありません。
土地や建物の明渡しを請求する場合、まず最初に賃貸借契約の解除をします。賃貸借契約を解除したことを証拠として残すため、また法的手続きに着手したことを知らせ、相手方を和解交渉の席に着かせるために司法書士から賃借人及び保証人の双方に対し内容証明郵便で行います。
具体的には、滞納している家賃を支払うように催告し、支払いがない場合、賃貸借契約を解除する旨の通知を出します。
ただし、内容証明郵便を送るより前に、司法書士から連絡をした時点で解決に至ることもありますし、何が何でも退去して貰いたいというので無ければ、穏便な手段から段階を踏んでいく方が好ましい結果になることが多いと思われます。

【建物明け渡し請求訴訟】

内容証明郵便による請求後も、賃借人が未払い賃料を支払わず、自主的に建物の明渡しをしない場合には、建物明け渡し請求訴訟を提起します。
裁判では、建物明け渡しに加え、滞納家賃等の支払いも請求します。金銭の支払いも請求することで、強制執行の際に、建物の明け渡しに加えて、部屋の中に残っているものを売却して滞納家賃に充てることも可能になるからです。 被告(賃借人、保証人)が裁判所に出頭してきた場合は、話し合いによって和解に至ることもあります。
そのときは、判決と同様の強制力を持つ和解調書が作成されますので、和解内容に従わなかったときは、あらためて訴訟を提起することなく強制執行をすることができます。
また、被告が答弁書を出さずに裁判を欠席した場合、必要な証拠書類を提出していれば、裁判官は原告の請求を認めた判決を出してくれることでしょう。そして、その後も、自主的に建物を明け渡して退去しないときには、建物明け渡しの強制執行をすることになります。

手続きに必要な書類

○ ……ご本人にご用意していただく書類
△ ……ご本人もしくは、当社でご用意可能な書類

訴状の他に、主に次のようなものが必要です。証拠書類は主張する内容によって異なります。

建物賃貸借契約書
内容証明郵便(賃貸借契約解除を通知したもの)
配達証明書(上記内容証明郵便についての配達証明書)
不動産登記事項証明書
固定資産評価額証明書
被告の住民票

※この他、契約解除原因に応じて請求書などが必要になります。

料金表

項目費用
実費約1万円(送料など)
訴訟の場合は訴訟実費が加算
報酬訴訟の無い場合50,000円~(税別)
訴訟の有る場合150,000円~(税別)

※訴訟後に別途建物明渡の強制執行を行う場合、強制執行費用は別で必要となります。